2014年03月04日(火):第7回ソーシャルビジネス研究会

活動報告 ?

第7回ソーシャルビジネス研究会では、NPO法人スマイルスタイル塩山諒さんに、「理想の○○をつくろう―スマスタのこれまでとこれから―」と題して、靭本町にある理想のハローワーク「ハローライフ」の3階で講演をしていただきました。

塩山さんは小学校3年生のころから不登校になり、その後の学校には行かなかった分、当たり前のことができていない、普通じゃない、社会的不適応者といった不登校の子に貼られがちなレッテルへの違和感・生きづらさ・疑問をもち、「当たり前でないことを認めさせていく制度・設計」について深く、深く、考え抜かれたのだといいます。

そんな仕事をしたいが、肩書・職業がわからない。18歳まで打ち込んでいたのはサッカー。まずは一人で動いてみようと、1年かけてフリースクールや施設など「普通じゃない」とされる子供たちがいる場所をリサーチしていきました。

不登校問題への取り組みの初期のころフリースクールは、普通じゃないことを矯正するためにスパルタな指導をいれていく場所であり、行政の施策も「適応指導教室」といった名称だったそうです。その後親たちが月に4-5万も負担しながら現在のフリースクールができあがっていたのがわかってきました。
しかし多くのスクールは「居場所」に甘んじている場合が多く、肯定はされるがプログラムではないと感じた塩山さんは、なぜこのようなことに予算をつけないのかと、19歳で政治家のかばん持ちなどをしながら、様々な「要望」の場面を経験。そのさなか、ある広告代理店が事業提案を見事に行いひきこもり予算を獲得していくのを目の当たりにし、他人ごとを「自分事」として伝えていく技術について身につけることを学ばれました。

その後2年の下積みをへて、22歳で起業。ただし22歳で世の中を変えるといっても世間では通用しない。若者が社会問題にコミットできるようなしかけをとはじめたのは「カラオケいく?ボーリングする?それともごみひろいいく?」とはたらきかけるごみひろいイベント。
深夜の繁華街をオールナイトでごみひろいをしてそのあと交流会を行うイベントに多数の若者が集まりました。その頃のスマスタは一日中マクドナルドで電源を借りてビジネスコンテストに応募を重ねる日々。ついに周辺の店舗全部から「出入り禁止」をいわれます。
コンテストの優勝賞金は半年分の家賃だったけれど、事務所を借り、アメ村の活性化などの企画や大手広告代理店の企画の下請け仕事を受けるように。

法人格はNPO法人でしたが、それだとなかなか本気と認めてもらえない。あるとき「株式会社」の名刺をつくり勝負にでました。2009年秋、ZAQから「ユメコラボ」という大きな仕事を得、これが経営上のブレークスルーポイントにつながります。のちに採択者に「株式会社」は名刺だけだったことがつたわりますがそれ自体はまったく問題にはならなかったそうです。

その後行政からニート予防のためのキャリア教育事業、美容室のブランディングなど、様々な事業への展開がはじまります。
宮城県で取り組んでいる事業のひとつが、『高校生とつくるいしのまきカフェ「 」』。
当初フィリップモリスから4000万円の寄付があり、2年間のプロジェクトで進めてきましたが、復興庁や現地自治体が高度人材育成の場としての可能性を認め、今後も投資が継続され事業を続けていくのだそうです。

大阪では「ニート」を遅咲きを意味するレイトブルーマー=「レイブル」として支援する事業を緊急雇用基金事業として提案実施しています。レイブル100人会議・職業体験プログラム「超就活」、次世代ワークスタイル研究所、ハローライフ、チャシツ。様々な事業を通じ、社会の問題ではなく個人の問題とされてきたニート問題を、企業をはじめ社会の構成員に関係のある問題として波紋を起こしているのです。

講演の冒頭は?世の中にはどんどんアップデートされて売れていく商品がある一方、マーケットにのらない商品があり、それを人にたとえると、行政施策やボランティアの手を借りても支えきれないと福祉という制度にいきついてしまうこと。福祉とマーケットの間のグレーな領域があるが、スマスタではこの領域に「マーケット」を作っていくことをめざしている?との言葉ではじまりました。

そしてこれまでのおよそ10年を話していただきましたが、スマスタの10年後はこれから何をしていくのでしょうか。
「理想の学校をつくろう」と塩山さんは語ります。それは18歳の時に1年かけて歩き見た、居場所に甘んじている、プログラムのない場所ではなく、人を育てるしくみの整った正式な学校。ハード、ソフトを考えれば100億円ほど必要かもしれない、だからそのような投資を引き起こすために、今後も事業を成長させていくのです。
「つくりたい」ではなく「つくろう」。
塩山さんのチャレンジは、もうはじまっています。

このページの先頭へ

Copyright (C) 2014 Kansai Network System. All Rights Reserved.
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35 関西大学商学部 西村研究室内

会員規則 これまでの歩み