2011年05月11日(水) Vol.63 中塚一(株式会社地域計画建築研究所 大阪事務所)

防災まちづくり、コミュニティ、まちなか再生の現場から

 KNSでは、飲み会参加中心の、アルパック?地域計画建築研究所の中塚一
です。
先ずは、今回の東日本大震災において、被災させた皆様に心よりお見舞い
申し上げるとともに、犠牲になられた方々、遺族の皆様、親友をなくされた
皆様に対して、深くお悔やみを申し上げます。
地域・まちづくり支援、市街地整備や住環境改善等を生業にしている者と
して、大阪での毎日の暮らしの中で、阪神淡路大震災の場合と違う、被災地
との何とも言えない隔たり感を感じています。今は、東北が少しでも元気に
なるように関西から元気を発信し、先ずは被災された方々が普通の生活に戻
れるよう、早期の復旧・復興をお祈りしております。
阪神淡路大震災で、「人生でこんなコトに携わるのは一生で一回だけやろ」
と思っていたのですが、被災地の未曾有の衝撃的な映像や被災された方々の
声を聞くたびに、言葉も出ない状況です。

中塚一

防災まちづくりの現場から
密集市街地の改善をお手伝いしている中で、災害から地域を少しでも守り
(減災)、また地域を少しでも住みよくしていく(修復)のは、地域での人
と人のつながりしかないと痛感しています。先ずは、日頃の「向こう三軒両
隣りのつながり」がないと、公園や避難路等をいくら整備しても、なんの役
に立ちません。しかし、関西の現場では、あれ程の大災害を目の前にしても、
どこか「自分が生きている間は、この地域では起こらない」「こんなに建て
込んでいるので、どうしようもない」などの想いをお持ちの方が多いのも事
実です。
今は、現地での復興を直接お手伝いできない自分に出来る事は、同じ過ち
を繰り返さないよう、それぞれの地域で、呪文のように問い続け、共感を生
み、少しでも各地で防災まちづくりが推進することをお手伝いする事だと考
えています。

コミュニティの現場から
また、近年、まちづくり協議会などで、地元主体での計画づくりや具体的
なまちづくり活動を支援させていただく機会も増えています。協議会等の進
行支援では、歳を取ったせいか、焦らず、皆の発言を待つ場面が多くなりま
した。時間はかかりますが、格式ばらないフラットな関係での話合い(ラウ
ンドテーブル、井戸端会議等)の中で、自分から発言した時、無言でうなづ
いた時に、自発性行動が伴い、継続的なまちづくり活動につながって行くと
感じています。「やらされてる」から「やったろやないか」へ。自分の住ん
でいる地域で、少し活動をするようになって学んだ事の一つです。
多分、KNSの活動に惹かれるもの、テーマは違うけれど、フラットな信
頼関係にもとづく「コミュニティづくり」が、究極の目的にあると、共感し
たからだと思います。

まちなか再生の現場から
さらに、関西を中心に、中心市街地や郊外ニュータウンの再生をお手伝い
する機会も増えています。確実な人口減少により、多くの都市が縮小してい
く時代に、地域での豊かな暮らしとは何なのか。地域が持続的に発展してい
くためには何が必要なのか(あるいは何が必要でないのか)、今一度、環境、
地域社会、地域経済の視点で、新しい価値の創造に向けて、皆でパラダイム
シフトしていく必要があると実感しています。
その一つの活動として、数年前から、「まちなかバル」を数地区でお手伝
いしております。
まちなかバルに込められた想いは、まちとお店、店主と参加者、参加者と
参加者の関係性の中で、楽しみながら「まちなかってイイよね」って共感で
きる「場」を提供したいと考えたからです。
前売り3000円の5枚綴りのチケットで飲み歩くという単純なイベントで
すが、これほどまでに各地で開催されているのは、店主の心意気がこもった
料理とお酒、ブラブラ歩きできる街なみ、ボランティアスタッフやミュージ
シャンの自主的な参画と協力、沢山の参加者の新たな出会いと交流、継続で
きる事業の仕組み、日頃の商売への波及効果等、まち・店・参加者が、笑顔
で「三方良し」となる「地域のつながりづくり」に、共感されているからだ
と考えています。

キーワードは「共感」
今後も、「共感」することで、多くの人の心が動き、様々なまちづくり活
動の渦が巻き起こっていく現場に、少しでも多く関わっていきたいと考えて
います。
KNSでは、飲んで騒ぐ場面でお会いすることが多いと思いますが、新た
な出会いに感謝し、皆さんとのつながりを、今後も大切にしていきたいと考
えております。

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