2021年06月02日(水) Vol.561 金桂紅(フリーランス日中韓通訳)

『常時コロナゼロ』を実現した中国のコロナ対策

中国大陸のコロナ確定患者数は、2020年3月29日に累計81,470人、2021年5月28に累計91,061人です。 14ヶ月間の患者数は9,591人です。この内訳は、私の推測ですが、中国国内発生が3,000人位、海外から中国に入り、検疫で見つかった人が6,591人位だと思います。その根拠として、毎日海外からのコロナ輸入が20人位います。また、中国国内で月一回のペースで小規模のコロナ爆発がありますが、毎回感染人数は、50-300人なので、平均200人だと考えると大体3,000人位だと考えます。

14億人口で、月200人は、一日7人の感じなので、コロナゼロと考えていいのではと思います。

金桂紅

1.コロナ大流行時に1ヶ月でコロナを鎮静する方法
2020年1月に中国の武漢でコロナが大流行した際に、中国政府は1月23日に武漢市を封鎖しました。その1週間後位に中国のほぼ全土で同じような都市封鎖が行われました。その結果、武漢では62日でコロナ0を達成し、14日間後の76日で都市封鎖を解除しました。その他の都市では2-4週間で都市封鎖を解除しました。
この全国全民同時の自宅隔離により、中国は1-2ヶ月でコロナゼロになりました。その後は、月一回のペースでどこかで小規模爆発が起こりましたが、1-2週間で火を消し、またゼロになることの繰り返しでした。

つまり、隔離という人口流動の極限的な制限は、コロナの撲滅に大変有効であることが中国の事例で証明されました。

武漢では99%の人が家にいて、1%の人がボランティアとして買い物を担当しました。中国ではこれを『封閉式』と言います。

中国の他の地域では、3日に一回1家族で1人が買い物出来るように出入り制限をすることによって人の接触を大幅に抑えました。これは『封控式』と言います。

どの方式の隔離であっても、医療、役人、警察、スーパー、薬局、介護施設、銀行などは普通に出勤です。

この中国の初期のコロナ対策が今の日本にも有効だと思います。

2.最近の中国でのコロナ発生は、局部でピンポイントに発生するのが殆どです。一年位コロナ患者がいなかった所に、急に1-2人が出て来ます。その場合には、コロナ患者が出た日から、該当エリアの人は封閉式隔離に入り、1-2週間でコロナ患者がゼロになり、更に2週間様子を見、計3-4週間で封閉式隔離が解除されます。コロナに感染する人は小規模の場合は計50-100人位、偶に大規模の場合は計200-300人位です。

去年の秋頃から中国のPCR検査能力が1日に2-3百万人に達し、コロナ発生時に全員PCR検査によりコロナ患者を早く見つけ、感染を抑える効果が大きかったと思います。でも、当時は最初に1回、該当市・エリアで全員PCR検査を行い、うまく患者の抑制が出来ない場合のみ、2回目、3回目の全員PCR検査を行う感じでした。

2021年の春に発生したケースでは、コロナ患者が発生した日の夜から24時間体制で1日で一回目の全員PCR検査を完了し、3日目に二回目を完了し、(多分)7目に三回目、14日目に四回目の全員PCR検査を終え、14日間コロナゼロの場合、封閉式隔離が終了するのがありました。また、このケースではコロナ患者が計10人位だったと思います。つまり、PCR検査の頻度を高めることにより、より早くコロナ患者を見つけ、感染者を抑え、且つ隔離時間も短くなった印象です。

この方法は、全員PCR検査が必要で、検査量が多すぎなので(一日に何十万 - 何百万規模)、日本では出来ない可能性があります。且つ、全員PCR検査は該当地域以外では感染が起きていないのが前提なので、日本に向いてないと思います。あちこちで随時コロナ感染が起こる場合は、全員PCR検査の意味がないと思います。

3.中国の水際対策
2020年2月頃の中国の水際対策は、自家用車(タクシーはダメ)で空港に迎えに行き、自宅に帰って14日間封閉式隔離を行う形でした。PCR検査はなく、毎日病院より様子を伺う電話のみでした。

2020年3月からは、空港に着いたら防護服を着た担当者がホテルに連れて行き、ホテルで14日間の隔離でした。1、3、7、14日目にPCR検査付きでした。

2020年秋頃から、欧州型が流行時に14日間隔離後もコロナにかかるのがあり、ホテルでの14日間、プラス自宅での7日間の隔離が流行りました。

2021年4月頃からは、インドでの大流行がきっかけで、空港近くのホテルで14日間、自宅近くのホテルで7日間、更に自宅で7日間になりました。1、7、14、21、28日目にPCR検査を行います。しかし、中国でも今も21日間隔離の場所もあります。全国統一ではありません。

中国の水際対策は、警察、役所、病院、町内会(日本の町内会に比べると一部お役所の権限と業務があります)の連携で行われているので、隔離の間に勝手に外に出ることは許されません。出た場合は犯罪扱いの大変な目に会うと思います。これは中国全国共通です。

4.中国のワクチン接種進捗
2020年の秋、冬頃から大規模のワクチン接種が始まりましたが、一般の人々は敬遠し、医療関係者、タクシー等公共サービス関係者が最初に打ちましたが、最近はインド型の脅威とワクチンの効果が認められ、皆焦って打ち始め、かなりの勢いで接種数が伸びています。何ヶ月前は、一ヶ月に一億回の接種でしたが、最近では5日間で一億回の接種が行われているそうです。2021年5月28日時点で計6億回に達したそうです。中国の人口は14億なので、80%の人が接種する為には、計22.4億回必要なので、順調に行けば冬の前には完了でしょうか。中国ではワクチンの数と、ワクチンを打つ人手は十分です。

5.普段の中国はコロナゼロの状況なので、特に制限がありません。夜の公園の踊りをはじめ、皆気ままに暮らしています。写真は地元の夜の踊りの風景です。しかし、常に大変警戒をしているので、マスクをするのが常識で、レストラン、カラオケ、カフェー、バーにも昔より大部行かなくなり、かなり景気が悪く、潰れる所も結構多いです。屋内飲食、旅行以外の産業は特に影響がないと思います。リモートワークもないです。常時コロナゼロの状態なので、2020年も中国のGDPはプラス成長で、2021年は7-8%成長を見込んでいるそうです。

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