2021年01月27日(水) Vol.544 松浦潤(株式会社リョウマまちづくり研究所)

紙媒体

皆様、KNS四国支部 世話人 松浦です。
前回のコラム投稿が2017年でしたので、4年ぶり2回目の投稿です。文字に起こしてみると、そこそこ時間が経っているなと思いつつ、今回で2回目なのか・・少ないなと、なんとも複雑な気持ちです。
今回は、紙媒体について話してみようと思います。
まず、私は紙を含め、物理媒体は最強なのではと常々思っています。
私の勤めている会社は、開発コンサルタントとして、土地の開発を行っており、私は開発申請の業務を主に担当しています。どんな事をするかと言うと、役所に申請書を持っていくのです。この開発申請を行うと毎回大量の紙を使います。
例えば、先般行った開発申請では、開発を行う為に役所の関係各課に同意を得るのに、提出書類として申請書類10枚程、図面10枚程、その後、開発担当課に向けて、申請書類100数十枚 図面が48枚、これを担当課へ提出用、開発許可後返却される用、役所からの問い合わせ対応の控え用と少なくとも3部作ります。役所の関係各課と打ち合わせで計画の細部が変われば、変更部分に関わる図面の差替えが発生して、これまた大量の紙が消費されます。

松浦潤

弊社は小さい会社ですが、かなりな量です。大きい会社ならもっと使っていると思われます。

仕事を通して紙を消費しながら思うのは、非常に無駄になっているなと。だから私は大量の紙の消費には反対です。資源の枯渇など環境への問題が多く、使用するならばリサイクルも含め、対策をしっかりとするべきと考えます。
また私は、建築設計を3Dで行うBIMや、土木設計を3Dで行うCIMを進めていきたいと思い、それぞれの技術の勉強や業務での活用を目指し取り組んでいます。このBIMやCIMはコンピューターの中に立体的な建物や土木現場を構築する事で、視覚的、直観的に分かり易くすることや、細部の変更などを行った際に、全体にその変更を反映する事ができます。コンピューターの性能の向上と共にこれから主流になっていく技術だと思っています。この技術を使用すれば、前述したように変更により図面の差替えを行う回数を減らせます。
しかし現在は役所に申請書類をデータ化したものや作成した図面をデータで提出する事ができず、紙に印刷して提出します。添付写真のような書類の束になります。
非常に無駄が多く、毎回疑問に思う消費の仕方です。

さて、この辺りで、「君は最初の方で、紙含む物理媒体が最強と言ってなかったっけ?
」と思われる頃かなと思います。自分でもそう思い始めています。
では、私が紙媒体最強と思う理由についてお話します。
それは、『電子的な媒体は、それを表示する装置が必要になる』です。
まずはデータ化した情報を再生するソフトウェアが必要になり、それを使うPC本体などが必要になり、それを表示する為のディスプレイが必要になる。もっと基本的にそれらを起動する為の電力が必要になります。
その点において、紙媒体は、それ自体が、消失または判読不可能まで破損しない限りは、人の目で見ることで読み取ることができるのです。
以前、業務中にどうしても少し前の図面を確認しなければならない場面があり、作成したデータは見つかりましたが、それを再生するソフトウェアがない・・最終的には倉庫から出してきた紙媒体で確認を行いました。また、データを保存しておいた媒体の破損により全く使えなくなった際に、印刷しておいた紙媒体から復元を行ったなど、紙に印刷していてよかったと思う場面が多くあったからです。
また、古文書のような古い資料や本、または石碑等は物理媒体を使っているので、その文字など自体はすぐに判読できなくても、後世まで残っていきます。
例えば大量の紙を使う役所への申請、これを電子データだけで行った場合、誰もが共通で使えるソフトウェア等でないと、申請できる方、出来ない方が発生する。また、最近は数年で資料は破棄されるのですが、紙媒体の場合残っていれば、その申請の再確認が、装置を必要とせずに行えます。
だから、紙媒体は最強、これからも無くなりはしないだろうなと思うのです。

ここまでをまとめると、紙媒体は最強と思うけれど、大量消費には反対、BIMなど技術を活用する事を目指している。つまり、これからは、打ち合わせ等できる限り紙を使用しなくてもいい時には、電子的な媒体を使用して、仕事の効率化をはかり、情報の保存の為に最小限の紙媒体を使い、環境を考慮した活動を行うのが良いのではないかと思うのです。
昨今、電子マネーや、電子書籍等が多く普及しており、非常に便利で快適に使えるものですが、物理媒体にもいいところがあります。なので、物理媒体、電子媒体どちらかに振り切ることなく、どちらもうまく使い分けることがとても重要なのではないかと思うのです。
先日の物置の掃除の時に発見した小学校の卒業証書を眺めながら、紙ってちゃんと保管していたら、ずっと残るんだな、やっぱ最強じゃないか、と思い、今回コラムにしてみました。

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