2020年09月09日(水) Vol.525 稲付嘉明(カワソーテクセル株式会社)

タイトル:新工場を建設中。やはり人とのご縁が大切。

こんにちは。稲付嘉明と申します。カワソーテクセル株式会社で社長をしております。
カワソーテクセルテクセルは、明治10年愛知県瀬戸市で洋食器製造業として創業した会社です。カワソーテクセルのカワソーは創業者の川本惣吉の2文字をとったもの。テクセルはテクノロジー&エクセレントからの造語です。1988年より今の社名を名乗っています。
創業当時の洋食器製造業の技術を碍子製造に拡げ、電力会社や鉄道会社で、例えば関西では、街中の配電線の他、大阪市営地下鉄や、ポートライナー、関西空港内のウイングシャトルで当社製品を使用していただいています。

ご縁があって数年前に、関西ネットワークシステムに入会させていただきました。主には、台湾、ベトナムへの海外視察や、高校生との交流イベントである「サイエンスフェアin兵庫」に参加させていただいています。これまでも参加実績に乏しく、昨年度は参加が1回しかなかったことから、会員資格を維持するために、コラムを執筆する機会を頂けました。

稲付嘉明

今回は、堺に新工場を建設している話をします。
当社は、南海本線七道駅から西に徒歩15分程の距離に、工場や倉庫を構えています。会社の成長に伴い、近隣で土地を買い増ししていったので、工場と完成品の保管倉庫が離れており、使いにくい効率の悪い形態となっていました。
またその建物の大半が築50年前後経過しており、スレート製の屋根、外壁でおおわれているため、夏は暑く冬は寒い。また老朽化も進み、外観も決してほめられたものではなく、社員の採用においてもプラスに働くことはない。あわせて、台風による破損等の心配もあり、建て替えが必要だと常日頃から感じていました。建て替えるのなら、効率の面から倉庫と工場を一体化した移動をなくした工場建設がよりよいと考えました。

新たな建て替え用の土地を取得し工場兼倉庫を建設できれば、操業にも支障がでないので、5年ほど前より1500?程度の土地を探し始めました。
現社員が継続して働くことを前提とすると、近隣で探すのがベストだと考えていたのですが、準工業地域ではあるものの住宅地が増えてきており工場用地は減少傾向で、また賃貸はあっても売却はなかなかみつかりませんでした。

そういう状況が続くなか、3年前に希望する面積よりも狭かったものの当社と敷地が4mほど接する競売物件がでて、やった!…と思って入札したのですが、あえなく競り負け。
その直後にも、隣接する某取引先の社員寮が最近使用されていない?。もしや売却?→ラッキーと期待した物件があったのですが、売却先が決定済みで肩の力を落とす。
さらには、当社の隣のセメント工場が取り壊され整地され、しかもその土地が1800?だったのでこちらの希望通りの面積。もしかして競売物件が落札できなかったのも、隣地の社員寮跡が取得できなかったのも、このラッキーのため?とか、勝手に胸高なったのですが、こちらもすでに売却先は決定済み。

こう空振りが続くのでもう土地の取得は困難とみて、近隣に保有する資材倉庫を壊して、その場所に倉庫兼工場を建てるのもありかと次第に考えるようになりました。ただ、敷地面積が800?程度であり、倉庫だけだと十分の広さなのですが、工場の機能を付加するとなると手狭感は否めなかったので、進めるのは難しいかもしれないと悩み続けていました。

そのようなことを悩み続けていた2年前の8月、登山帰りの飛行機の中でした。経営者仲間で建築積算の仕事をしているIさんに、遊びの最中にこんな時に仕事の話をするのも…とためらわれたのですが、聞き流してもらっても構わないというテンションで話をもちかけました。
私:「敷地が狭い中でどんなことができるかで悩んでるんですよ。」
I氏;「それやったら、大手ゼネコンで設計の責任者を務めた経験豊富な設計者を知っているから、会って相談してみては?」
といった話になりました。
どうせ建てるなら、少しでも立派なものがいいと思っていたので、渡りに船でした。紹介頂いたT氏は経験豊富なだけでなくアイデアやデザインも斬新で、狭いながらも今よりも間違いなくよくなると夢が膨らみ、話がとんとん拍子に進みました。

図面もまとまったその年の12月、まさに打ち合わせたプランで着工を決めるタイミングでした。
取引銀行系列の不動産会社から、「ほど近く(400m離れた場所)で土地がみつかりました。敷地も1700?なので希望通りです。いかがでしょうか?」との話がとびこんできました。正直、ラッキーというよりも、迷わせるなあとの思いが強く、また、他社からも購入の意思表示があるとの話もありましたので、上手くいかなくていいと正直ネガティブな感情になりました。

そういった状況のなか、その土地のオーナーと面談することになりました。なんと、そのオーナーは当社の工場の隣のセメント工場を所有していたオーナーでもありました。交渉の場でその事実を知りました。
当社がずっと土地を探しており、隣が空いたので譲っていただければと思っていたのに叶わなかったことをお伝えし、オーナーからも、これも何かのご縁かもしれないですねといった旨の話を頂いた結果、最終的に土地を譲って頂けることになりました。
それまでの流れのなか何度も挫折しましたが、結果として希望する場所で、希望する敷地面積の土地を取得することができました。

何気ない話を真剣に聞いて頂いた建築積算のI氏、そのご縁がなければつながらなかった設計士のT氏、そして土地を譲って頂いたオーナーに感謝しています。それまでの出来事が、このためにあったのかとしみじみ思いました。人の縁の大切さが身に沁みました。

今年1月末の地鎮祭を終え、これからの建設が楽しみにしていた中、ご承知のとおりコロナが蔓延することとなりました。景気は一変していますが、工場の建設は順調で10月末には竣工予定です。この状況は受け入れるしかありませんし、ご縁で建設できた工場が財産になると信じています。

実稼働は2021年明けとなる見込みです。当社なりに生産効率を見直した工場です。見学したい方がいらっしゃればお申し出ください。社員も励みになります。是非お待ちしています!ありがとうございました。

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