2020年10月28日(水) Vol.532 文敬作(山下裕司)(株式会社三栄金属製作所)

会社の履歴書の続編

前編ではベトナム工場に機械を送るためにお金がなくどうすれば
お金をかけずに送り出せる方法として足掻いて足掻いて考えたのが工場の設備と工場を丸ごと業者を通さずに買うことが出来たことが運気に乗ったのかもしれません。まだまだベトナム工場にプレスの機械や設備を送りたいとことが頭から離れず 久しぶりにあるゴルフのコンペに参加した時のことです。
20年ぶりに蝶番の大手メーカーの購買の元部長と周ることになりました。その蝶番メーカは15年前に倒産しましたがその部長は蝶番メーカーの子会社の社長になって本当はこの会社も倒産する予定が自分の人徳でなんとか生き残ることが出来、事業を継続して頑張っていました。その社長と話していると「私はもう80歳になる後継ぎもおれへんしもう会社をたたんでしまう」と言っていたので 私のほうから明日会社に訪問させ下さいと頼み訪問することになりました。

文敬作

私はベトナムに機械を送るために見に行ったのですが、そこにある機械を見てびっくり あまりにも古い機械なのでここの場所から動かせばもう使えなくなる機械が多く断念して帰ろうとしたところ、この会社と取引している顧客の名前を見るといいところが多く、何か感じるものがあり社長にこのまま工場私に売ってくれませんか? 
尋ねてみたところ、社長曰く「現状渡しやったらただでもいいよ。機械の処分や工場の原状復帰で困っているから三栄さんがあとを片付けてくれるなら0円」でいいよと言われたのにはびっくり。そして顧客のことを尋ねたら「半年前から廃業することを伝えてあるから製品を作るところはもう決まっているはずやから諦めや」と言われましたが諦めきれず。私が直接顧客と話し合うと顧客の担当者は三栄さんが引きついでくれるならば喜んでそのまま継続して仕事をお願いしたい。今の会社だったらもうすぐに限界が来るのでびくびくして仕事を頼んでいたので、三栄さんやったら安心して仕事を任せられますとの返事。
そのことを社長に伝えるとえらい機嫌が悪くなり「仕事先があっても社員は誰一人会社には残れへんわぁ」と言われ、次の日に社員と面談の結果8人中6人が残ることを表明してくれ、そのことを社長に伝えると激怒して「社員がやめるから廃業を決心したのにあいつらは嘘つきや」声を荒たげ私に「300万円で売ったる」と言ううので私は了解の返事しました。ところが次の日社長からの電話で「悪いけど300万円で売ると言うたけど500万円にしてくれ」と言われ渋々了解しました。また暫くして社長から呼び出され、「友達に聞いたんやけど、この会社500万円やったら安いわぁ。800万円はもらわなければ契約できない」と言われさすがに0円から800万円かと思うとこのくそ爺爺ええ加減にしてくれと思いましたが、少し考えさせてくださいと返事するのが精いっぱいでした。
でも落ち着いて考えてみるとこの会社年商で8000万円超
土曜日は完全に休日 残業もなしAM8時30分からPM4時まで
社長の給料と経費を合わせて800万円かかり 利益は毎年黒字を出ないように操作して税金を払わない経営をしてはるし
働く観点と経営の視線が違うので2年もあれば三栄の流れで仕事が出来る。
会社を一度締めてもらって三栄に譲渡すればなんの縁もなし
と考えて800万円で営業権と設備譲渡金で決着しました。
次の日新聞を見ていると事業譲渡補助金制度があるのを見つけて問い合わせると条件が合うといううことで補助金額上限の300万円の補助を採択していただけることになり運も味方につけ自社を強くしたいという思いが縁という風が吹いた事業譲渡だっと感じています。
今では弊社でいろいろな蝶番を制作できるといううことで新しい顧客(車両メーカ・住宅メーカー)からの注文が増え始めています。ゴルフ場でこの社長と一緒に廻っていなかったら弊社の東大阪花園工場は存在すらなかったしこのコロナの状況でも今のところ売り上げが少しの減収に済んでいます。縁をつかんだら諦めず離さず突き進んだのがよかったと思います。

次にあげる事業譲渡は2020年2月に同じ同友会の同じ支部の橋本工機の橋本社長が弊社に来られ会社を買ってくださいと申し出あり、正直私としては驚きしかなく 橋本工機さんには一度しか行ったことはなくマシンキーを作っている会社であることは知っているぐらい。
橋本社長から「私には夢があります。今の会社では自分の役目が終わりましたので次の目標に向かって進みたいので」。
私には理解しがたいことでしたが、彼の眼輝いていたので本気度が感じられました。
今回の事業の譲渡は株式を買い取るM&Aで、私としては初めての経験です。会社の資産を買い取る代わりに借金もついてくる。いろんな角度から私になりに調べたり相談したりしましたが、最終的には橋本工機の場所が近いこと(自転車で5分ぐらい)、社長が絶対信用が出来きること、2年間は会社に残って業務をしてもらえること、そして会社の存続を最後まで願っていること。ニッチな世界ではあるが同じようなマシンキーを作っている会社が日本では20社もない。同じ製造業の畑ではあるが三栄は土ものジャガイモやダイコンを作っており、橋本工機はパセリやレタスの葉っぱ物を作り、売り先は八百屋さんであり橋本工機の八百屋さんから三栄のジャガイモやダイコンを買ってもらえる相乗効果がでると考えたからです。
そこで3月で婚約して仮契約書を取り交わし 橋本工機内で私と社員との面談を進めていくうちに 社内事情がいろいろわかり始めていきました。現場の社員が続かない。現場の社員が2年ぐらいで辞めていくため、仕事の納期管理も現場との意思疎通がうまくいかないので顧客に対して迷惑をかけて商機を失う場面が多くなっている。
そこで私から現場に三栄のベトナムの社員を入れることで、現場を活き活きさせて、生産スピードをあげることで顧客の要求に応える。信用を第一に考えることなどを提案。すぐに弊社から2人のベトナム社員(三栄では各工場の副リーダー)をいれることでの現場改革を行っています。彼らは新しい仕事に対してのモチベーションは高く自分たちがここのリーダーになるため、三栄で仕事をしていてもリーダーになるにはなかなか難しい。でもここでは頑張ったらリーダーになれると約束をしています。
彼らには約束をすることで目標が出来き目標を持つことで夢をつかめる(日本の永住して家族で幸せに暮らせる・家を持つなど)ことを私も在日3世であり父が韓国の済州島から来て日本で仕事を頑張って永住して家を建てて工場を立ち上げて、私が跡をついで今があることを熱く語っています。
今回の事業譲渡については橋本工機も事業を存続することが出来き、弊社も社員の夢の扉が少し開けることが出来き 顧客の獲得にも効果がありそれこそWIN-WIN(良かった・良かった)の事業の譲渡だったと考えています。
私は仕事はある意味戦争と同じだと思っています。ひと・もの・かねがいります。それを最小限で生かせる戦略が事業譲渡だと考えています。この先日本の製造業(町工場・零細工場)が生き残っていくには事業を継続しているところに集約していく事業譲渡は絶対に必要だと考えています。工場の草を抜いて整地にしてしまうともうそこには同じ草は生えてきません。

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