2019年06月19日(水) Vol.465 堀登志子(オフィスはなはな)

まちの小さな歯医者さんの寄席は十年目

偶数月の日曜日、毎月一回、待合室で一度も休むことなく落語会を続けている、歯医者さんのお話をしようとおもいます。
落語のまち池田をかかげた池田市で、商店活性を目的にたちあがった落語一店一席運動「おたなKAIWAl」。お店が落語のネタひとつ受け持って、それにちなんだサービスや品物を用意して、話題をつくって、お店に来てもらおうという試み。
若い(当時は)歯医者さんが手をあげました。「歯医者の使命は虫歯を治すことではなく、虫歯にならないようにすること」「だから子どもやお母さんにお話をしたい。でも虫歯にならないと来てくれない。僕の話を聞いてくれない」「落語会なら来てくれるかな」と。

堀としこ

そこから始まった手水寄席(ちょうずよせ)。席は20席。つどお寺から椅子を運び、会議机を組み立てて高座にして、寄席小屋に。最初はなにもなかったのに、だんだん先生のお買物が進んで、提灯がさがり、看板がかけられ。先生も白衣から着物になり。お手伝いしてくれてる阪大生に芸名(恋歯家歯っ恋)つけてもらって、繁昌亭に落語を習いにいき、最初はかたくなにあがることを拒否してた高座にあがって、毎回歯磨き噺で笑わせてくれるようになっています。笑いは人に自信をあたえてくれる。

そして笑いは人を惹き寄せる。「落語やってる子どもさんがいるよ」とお声をかけていただき。たまたまその時に手伝いに来てた後輩の関大生が小学校の教員をめざしてるというので、マッチング。夏休み子ども落語教室を開催することになりました。お稽古のお披露目は九月の手水寄席。常連の地元の人が見に来てくれます。

この後輩は試験嫌いで教員にならなかったけど、教室は新たな後輩が引き受けてくれてこれが六年目。(この歳になると後輩目白押し!増える増え続ける)
そして手水寄席は今年の5月で十周年。

毎回が楽しい。終わったらあと後片付けして、きれいになった待合室でお酒とお菓子で乾杯。検証も反省もないけど、毎回発見や小さな気づきが個々にあるようで、少しずつよくなっていってる。だから楽しい。

小屋はこいし歯科。席亭は小石先生。先生はいつもニコニコしてる。準備のときも、高座にあがりはるときも、お酒飲むときも。なんの気負いもない。

笑いは人を導いてくれる。小石先生に導かれた私たちは楽しく寄席をさせてもらってます。お客さんもその空気を楽しんで笑って、またきてくれます。もう十年来の顔なじみのお客さんも・・・。

まちのなかに笑って人がつながる場が育まれてます。夏休み落語教室から巣立った子どもたちが。いずれ手水寄席はじめ、池田のまちのいろんなとこでおじいちゃんおばあちゃんに落語を披露したり、子どもたちに教えたり、そんなことになってほしいなぁ。住んでるとこで、住んでる人が場をつくり、育み、いつしかそれがあたりまえになっていく。それが文化なのかなぁと、、そんなこと徒然。

次回の手水寄席は7月21日13時半からです。

次のコラムは、商店街が始めた獅子舞が、いつしかまちの風物詩になろうとしてる。そんなお話させてもらいたいと思ってます。あ・・・小さな商店街が始めた文化祭が、いつしか全市あげての尼崎大学商学部になっちゃった! そんなお話もしたいです。またこんど・・・。

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