2018年11月28日(水) Vol.438 土屋武大(在ベトナム日本大使館(経済産業省から出向))

二度目の海外赴任はベトナムで

0.はじめに
 ベトナムに赴任して早5カ月が経った。インドネシアに10年ほど前に赴任した経験と比較しての新鮮なところもある中、堂野所長からコラム記載の依頼をいただいた。日本にいながら海外を感じていただくためにご笑覧いただければと思う。

1.二度目の海外赴任
 薬学部出身であるのに経済産業省に入省したのは2002年。在ベトナム日本大使館(2007年5月?2011年6月)、内閣官房(2012年1月?2013年6月)、国土交通省(2017年7月?2018年6月)と他省庁への出向を多く経験してきた。特に、4年間のインドネシア大での海外に住むという経験は大変勉強になった。

岡山県美作市武蔵武道館前にて:中央が筆者

国交省への出向時は、これまでの経験を踏まえ、最低限2年間は国交省にいるだろうと当然のように思っており、2018年2月、担当している「稼げる国土専門委員会」(この委員会の業務を通じて堂野所長とお会いした)のとりまとめ、そして次年度の方向性に向けて構想を練っていたところ、経産省人事から急遽呼び出しがあった。
「今の時期に人事から呼ばれるってなんだろうな」、と今から思えば海外赴任の内示は2月頃だったことをすっかり忘れていた。人事は会うなり、「土屋、東南アジア好きだったよな。」といきなりの一言。確かにインドネシアへの再赴任は希望していたが、「もしかして海外赴任ですか?どこですか。」と聞いたところ、「ベトナム大だ。」との回答。正直、東南アジアに住んでいた経験があるも、ベトナムのイメージは正直あまりなかった。色々考えたが、再度の海外赴任は希望でもあったため、ベトナムに赴任することを受け入れることにした。

2.インドネシアでの生活との違い
こうして、今年の6月25日、7年ぶりとなる海外赴任生活のため、成田空港からハノイに向かった。到着して飛行機を降りた際、東南アジア特有のむあっとした蒸し暑さに遭遇。日本からジャカルタに戻ってきた際にいつも感じていた雰囲気に、懐かしさを覚えた。唯一の違いは、ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港では感じた丁子タバコの甘ったるい匂いがないことくらいであった。
着任してインドネシアにいた時と大きく異なると感じたことは多々あるが、主なものとして以下の3つを挙げさせていただく。日本食レストランも多くあり、ハノイは大変過ごしやすい街である。

?Googleマップで自分の位置が確認できること
 インドネシアにいた時は、2009年くらいからブラックベリーが普及し始めていたが、まだアプリの機能も限られており、どこに行くにしても地図を持参しながらいつも自分の所在地を確認していた。他方、今は地図なしでスマホで自分の位置が確認でき、タクシーに乗っても間違ったところに行っているかどうかも含めて確認できるのはすごく便利な世の中になったと感じている。

?自宅で日本の番組がリアルタイム又は溜め撮りで見られること
 単身赴任であることから、勤務先近くのサービスアパートメントに住んでいるが、驚いたのが日本の番組が見られるケーブルテレビが導入されていたことである。東京の番組のみならず、関テレもWowowも見ることができ、しかもなんと、どのチャンネルも一週間分自動で溜め撮りされている。インドネシアにいた時は、日本のテレビ番組のDVDレンタル屋さんがあり、そこを時々活用していたが、こちらではそんなことしなくても日本の番組が見られる環境が整っていることに驚いた。

?Uber(当地ではGrab)が普及していること
 日本では「白タク」のイメージが根強いかもしれないが、当地ではスマホのアプリに出発地点と到着地点を入力して車を呼ぶことができる。一般車の場合もあれば、タクシーの場合もある。しかも、通常のタクシー運賃に比して安く、ぼったくられるリスクも少なく、ほぼ毎日活用している。

3 ライフワークの剣道を通じて
 私のライフワークは7歳からやっている剣道である(現在41歳なので竹刀を手に取ってから37年になる)。インドネシア赴任時は五段であったが、海外なのに高段者の日本の先生が多くいらっしゃり(七段4名、六段6名等)、大変多くを勉強させていただくとともに、インドネシア剣士との交流を深めていった。
 ベトナム赴任にあたっては、3年前に六段を頂戴したこともあり、剣道を通じての交流をより深めていくとともに、剣道の普及に少しでも貢献できればと思い、単身赴任でもあったことから、飛行機への持ち込み荷物の半分は剣道(防具2セット、竹刀6本等)だった。
インドネシア剣士からベトナム剣士を、日本の先生方から駐在されている日本人剣士を紹介いただいたこともあり、着任して4日後の6月29日にベトナム剣士の稽古に参加させていただいた。その際は日本人の参加者は私だけだったが、一番驚いたのはベトナム剣士がベトナム剣士を教えており、ある程度のレベルにあったことである。インドネシア時代、指導は原則として日本人が行っていたので、その違いに大変驚いた。聞くと、ベトナム剣士の最高段位は四段が1名で、二段、三段がメインの指導を行っているとのこと。実際に稽古を見てみると、「経験者の顧問がいない中学か高校の部活動」という印象が強く残った。基礎はある程度できているため、技術面及び精神面に対する指導を行い、ベトナム剣士の背中を押してレベルアップを図ることができれば、という思いを強くした。
ハノイでは韓国剣士とも稽古を一緒に行っており、ベトナム剣士、韓国剣士、日本剣士の稽古場が毎日どこかであり、稽古環境には事欠かない状況であり、大変充実して稽古に取り組むことが出来ている。10月には、岡山県美作市で開催された「お通杯」という女性のためのオープン大会に色々な偶然からベトナムチームを招待いただくことになり、コーチとして同行させていただいた。強豪女性剣士との稽古や試合、高名な先生方にやさしくしていただいた経験等で、参加した6名の女性剣士はきらきら目を輝かせて現在も稽古に励んでいる。こうした取組を当地でも引き続き頑張っていきたいと考えている。
 なお、剣道を通じての活動は、自分の稽古の備忘録も兼ねて、ブログを書かせていただいている。「Kendo anytime anywhere」というブログ名だが、知り合いの剣士から「いつでもどこでも剣道三昧」という妙訳をいただいた。こちらもご参照いただければと思う。
http://kendo-anytimeanywhere.blogspot.com/

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