2018年09月19日(水) Vol.428 濱名研(株式会社新事業開発研究所)

町家をシェアする

 皆さま、こんにちは。
 (株)新事業開発研究所(シニアワークセンターとよなか)の濱名です。
 前回のコラムでは仕事の話を書きましたので、今回は仕事外でやっていることについて紹介します。

 私は2013年から、大阪の天下茶屋にあるシェアアトリエ「カエルハウス」の一室を借りて「アジアたてもの文庫」という場を作っています。天下茶屋は、南海本線の関西空港行き特急が止まり、堺筋線、四つ橋線の駅もある便利な場所ながら、大きなビルなどはなく、戦前からの下町風景が残っている町です。

 カエルハウスの建物は、写真家である現オーナーのおじいさんが大正時代頃に建てたようで、長年貸家となっていました。傷んだ状態で戻ってきた後に、一度は取り壊しも考えられたそうですが、壊してしまうよりも、古い建物を生かして面白いことができるのではないかと、補修をして、ものづくりをする人たちのシェアアトリエとして貸し出すことにされました。住宅にはしていないのがポイントです。

カエルハウス

 私が部屋を借りたきっかけは、大阪の長屋の一斉公開イベント「オープンナガヤ大阪2013」に参加されていた機会に見学したことです。その時点で私も含めて数人が借りることになり、ほとんどの部屋が埋まりました。屋根は修繕されて雨漏りはなかったのですが、内部は壁なども落ちていて、使うには改修が必要な状態でした。建物は貸家時代から度々の改修が加えられていて意外性があります。壁に一斗缶が貼られていたり、梁や柱が切られたり足されたり。便利なのは、ほとんどの部屋に水道が引かれていることです。2階には開放感のある物干し台もあります。

 私の借りた部屋は2階の東向きの四畳半ぐらいの部屋です。壁の穴をパテで埋めることから始まり、大きな穴には石膏ボードをはめ、下地処理をして珪藻土を塗り、床は近所の畳屋さんにお願いして畳を作ってもらいました。河内長野の森林組合でプレカットしてもらった杉板に柿渋を塗り、本棚を組み立てました。部屋の壁際に1mの高さで本棚をめぐらせています。さらにオーナーさんにいただいた座卓や家具などを入れました。普通は天井を張るのですが、狭くなりますし、屋根裏が見えたほうが面白いだろうということで、そのままにしてあります。

 ここに家から持ってきたアジア関係の建物の本や映画パンフレットを入れて図書室にしました。壁面にはピクチャーレールを取り付けて、展示ができるようにしています。またスクリーンがあり、上映ができるようにもなっています。お茶道具を用意していて、お茶も入れられます。

 改修にあたっては、私以上に他の利用者の皆さんが本格的な道具を揃えていて、道具を貸してもらったり、アドバイスをもらったり、手伝ってもらったりと非常に助かりました。これはシェアの大きなメリットかなと思います。友達にも手伝ってもらいました。他の方の改修風景を見せていただいて、こんな風に壁や床を作るのかなどと非常に勉強になりました。

 オープン後は、展示をしたり、お茶会や飲み会をしたり、晩遅いときや翌日早いときに泊まったりと便利に使っています。家が遠い私には家の出先のようで、人を招くにも便利です。

 他の部屋の皆さんは、ミシンの作業場、写真スタジオ、ジャムの加工場、ギャラリーや教室などとして思い思いに活用されています。今は年4回(3・6・9・12月の第一日曜日)、「カエルの日」という名前で、合同イベントを開催しています。それもシェアの面白さでしょうか。一人で借りている場所で定期的にイベントをするのは大変だと思います。これまで毎年秋のオープンナガヤ大阪にも参加していて、その時は特に多くの方が見にこられます。

 私は常にここに詰める訳にいかないのですが、部屋の扉はオープンにしていますので、誰か他の部屋の方がおられれば、この部屋にも入ってもらえるというのは助かるところです。館内唯一の和室として、休憩などにも使ってもらっています。

 今、各地にたくさんの空き家があります。住宅や店舗として利用する以外に、建物をシェアして、自宅外の作業場、居間、応接間、書斎、キッチンなどとして1部屋持つという使い方が広まれば、新たな交流が生まれて面白いのではないかなと思います。

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