2018年07月11日(水) Vol.419 岡室俊之(大洋製器工業株式会社 )

危機が教えてくれる自分の姿

世話人の一人、岡室です。久々にコラムを担当させて頂きます。

社内研修のアイスプレークで「私の危機一髪」と言うテーマを取り上げることがあります。「私の危機一髪」は今生きているのであれば、基本的に必ずハッピーエンドで終わるし、何かしらの波乱があって面白いからです。でも、その割になかなか話す機会はないんですよね。
なので、あえてそんなお話をしたいと思います。

皆さんは「私の危機一髪」と言ったらどんなことを思い浮かべますか?

過去を振り返ってみると幾つか思い出すと思います。今回、僕が経験した漁船から落ちて死にかけたお話をしたいと思います。

岡室俊之

僕が小学校三年生の11月3日のことでした。僕はルーツが山口県ですので、11月の連休に両親と山口に帰省し、親族6人くらいと船釣りに行くことになりました。多分2回目か3回目の船釣りだったと思います。釣りですから早朝の4時だか5時に起きて寝ぼけ眼で船に乗り、大人達に教えてもらいながら釣りをしていました。
確か昼過ぎだったでしょうか。ポイントを変えることになり、移動することになりました。そのとき乗っていた漁船はそんなに大きくない船で、乗り降りしやすいように舳先に板が打ち付けてありました。僕と従兄弟はポイント移動の時にそこに寝そべり、船が波を切りながら進んでいく勇壮な様を見てはしゃいでいました。
はしゃいでいたのですが、波はほぼ一定のリズムなので船も一定のリズムで揺れます。そしてその日は慣れない早朝起床。どうもついつい眠ってしまったようなのです。と、というかその時点から僕には記憶がありません。船が波を切って進んでいる様の次の記憶は真っ青な世界だったのです。
自分の奥では、真っ青で、岩と海藻が見えた感じでした。「あれ、ここはどこ?」と思いなんとなく明るい方を見ると、どうやら船が進んでいるようなのが見え、「あ、海に落ちた!」と気付きました。なんでそんなに深く沈んだのかは今では分からないのですが、とにかく相当深く沈んだようです。それで、水面と思われる方に泳ぐことにしました。当時3年生でしたから、身長より深いところで泳いだことはありません。が、何となく泳いでしまい、水面に出ることが出来ました。
その間に船は進んでいます。後々聞いた話では一緒に乗っていた父は僕が落ちたことに気付き、船頭さんに伝えたようなのですが、船頭さんがそんなことはありえないと最初取り合ってくれなかったようで、しばらくそのまま進んでしまったようです。僕からすると「あれ、そのまま行っちゃうのかな」と言う感じでした。ですが、人数を確認したら子供が一人いないと言うことが分かったようで船が戻ってきて僕を発見してくれました。
父は元水泳部で、飛び込んで助けようとしてくれたのですが、周りに止められていたのを覚えています。それで、船が近づいた後、スクリューに巻き込まれないようにエンジンを切り、父がこれに捕まれと「棒」をこちらに向けて差し出したのですが、実はこれがこの日2回目の危機だったのです。
父が出した「棒」の先には刃がついてたんですね。その「棒」は銛だったのです。一生懸命「棒を掴め!」と水面をバシャバシャしている父。まぁ、自分の子供が船から落ちたら焦りますよね。とはいうもののその棒に当たったら怪我をしてしまいます。と、いうか死にそう。なので、僕は父に「それ銛だから!逆にして!」と叫びました。ようやく父も気づき、柄の方を僕に向けてくれたので、それを掴んで船に上がることが出来ました。
船頭さんが言うには、海に落ちると慌てて水面に出ようとするので、舳先にぶつかって気絶したり、スクリューに巻き込まれたりすることが多いそうです。幸いにも僕は深く寝ていて沈んだことがよかったようです。
この事件以来、我が家ではしばらく船釣りは禁止となりました。

(写真は船のイメージ図)

 今考えるとなかなか異常な話なんですよね。
・なぜそんなに熟睡してしまったのか。
・11月の寒い海の中なのに深く沈むまで起きなかったのはなぜなのか。
・もしかして息してなかったの?(今では立派な無呼吸症候群ですが)
・水中でどっちが水面かよくわかったなぁ。寝てたのに。
・初めて深いところで泳げた!
・よく銛って気づいたな。
そして、沈んでからずっと、淡々としてたんです。迷わないと言うか、焦らないと言うか。周りが大騒ぎしていたのは覚えていますが、確か泣きもしなかったような。

この話はあまり話すことはないのですが、先日「質問する技術」に関する研修をした際の懇親会で新入社員から「岡室さんの危機一髪教えてください!」と質問されたので久々に話したところ、質問者からは「冷静なんですね。」との感想をもらいました。僕は「いや、鈍感なだけだよ。」と返しましたが。

ただ、言われてみれば大変なことが起きたときにあんまり慌てないなぁとは改めて思いました。ちょっとやばい人たちに追い込みをかけられたり(この話はここでは書けませんのでお目にかかったときにでも聞いてください)、自称殺人犯に絡まれたりしたときもパニックにはならなかったので。そういえば、淀川に落ちたこともあったなぁ。

あれ、こう書くと僕の人生ってなんだかひどい目によく遭ってるんだな・・・。

ま、それは置いといて。

と、いうわけで、一度過去の危機を振り返ってみると、自分の特性=姿を見つめ直すことになるかもしれません。

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