2018年05月30日(水) Vol.413 諸岡充(公益財団法人 大阪みどりのトラスト協会)

地域活動 - 清掃活動の美学 -

KNSメンバーの皆様、こんにちは。公益財団法人大阪みどりのトラスト協会の諸岡 充(もろおかみつる)と申します。今回は、3回目となります。前回の世界陸上のボランティアに続き、今回は、地域でのボランティア活動にふれさせていただきます。
子どもの頃から住んでいる地域で、地域のために活動する「本郷壮年会」を立ち上げて今年で16年目となります。会の活動の内容は、地域の夏祭りと秋祭りへの参画、地域での清掃活動、地域内の安全巡視活動、地域防災力の向上のための取組み、その他地域の催しへの参加活動などを行っています。その中でも、今回は特に、清掃活動について、思うところを書いてみました。

諸岡充

地域の清掃活動は、年に8回程度実施しています。清掃活動を「汚い、臭い、きつい、危険」と嫌がる人も多いですが、私は好きです。16年間も続けていると、それなりのこだわりというか、美学のようなものができてきます。
清掃活動の時の恰好は、作業着・作業帽に長靴。手には、軍手と柄の長いゴミバサミ、そして、一般ごみと、缶ビン用の二種類のごみ袋を持ちます。長靴は、小水路に入ってゴミを拾うためで、田植えなどで水路の水量が多いときは、丈の長い長靴、冬場などは、丈の低い長靴を着用します。柄の長いゴミバサミは、あまり屈まずにゴミを拾え、水路など、低いところのごみを取るときに便利です。
自分なりの“ゴミ”の定義は、公有地に遺棄されている無主物の人工物で、自分で拾って、所定のゴミ捨て場まで持ち歩けるものです。とりわけ、タバコや石油製品など、環境や人体に悪影響を与えるものや、美観を損なうものを重点的に拾います。落ち葉は、対象外です。
清掃する対象場所は、公道や水路など私有地でないところ。住宅の前などは、人が自分の家の前などを掃除されるので、ゴミは割合少ないですが、駐車場や農地と公道の境界部、水路内、公園の植木の中など、普段、十分な管理がなされていないところには、結構ゴミがあります。また、人目につかないところには、自転車やテレビを始めとする大型のごみが捨てられることがあります。「誰がこんなものを捨てるのか」と、腹が立つことがありますが、これを放っておくと、ゴミがゴミを呼ぶので、早めの対応が必要です。自転車は、盗難車の可能性があるので、場所や登録番号などを警察へ連絡。その他、大きなものは、自治会や市に情報提供をして、処分をしてもらいます。かつては、大型ごみが各所にかなりありましたが、継続的な活動を続けてきたためか、今は、ほとんどありません。
ゴミの中で圧倒的に多いのは、タバコ。道や水路など、いたるところで見かけます。「捨てる人には、道や水路が灰皿に見えるのだろうか?」といつも思います。道や水路が自分の家の中だと思えば、絶対に捨てないと思うのですが。その他、多いのは、水路内の缶、ビン、ペットボトル。そして、いつも閉口するのが、水路内に捨てられている犬の糞のポリ袋やビニールの傘です。ヘドロの混じったポリ袋や傘を拾い、ごみ袋に入れるのはたまりません。犬の散歩をさせている人には、「責任をもって家まで犬の糞を持ち帰ってほしい」し、「骨の折れたビニール傘を水路に放り込むな。」と言いたいです。こういった気持ちというのは、体験から得られるものなので、子どもやぽい捨てをしている人にも、清掃活動を是非体験してほしいなと思います。

そんな気持ちを抱きながらも私が清掃活動を好きな理由は、
 1.地域が美しくなる。 
 2.大阪湾に流れ込むゴミを減らせる。 
 3.街が美しくなると犯罪が減る。 
 4.コミュニティづくりに役立つ。 
 5.活動を行って自分で気持ちがいい。 
 6.適度な運動にもなるからでしょうか。

1.の地域を美しく保つためには、まずは、美観を損なうものを取り除くことだと思います。
3.は、警察の方が一緒に活動をしていただいたときにおっしゃっていたことで、たぶん、汚いところに比べて犯罪を起こしにくいという心理的な面と、清掃活動により、たくさんの人の目が光っていることがつながっているのではないかと思います。
4.・5.については、活動をしていると、「ごくろうさま」とか、「ありがとう」とか挨拶をしていただけるし、地域の方に参加を呼び掛けて行うことで、地域のコミュニティづくりにも貢献していると思います。年に数回、地域として清掃活動ができれば、地域力の向上につながるのでないかと強く思います。
2.については、道に捨てられたごみは、雨水などで水路に落ち、そこから川を経由して最終的には、海に捨てられることになります。それらは、川や海の環境を悪化するだけでなく、とりわけ石油製品は、海で細かく分解されマイクロプラスチックとなって魚などの体内に入り、食物連鎖の過程でそれらが凝縮され、いずれは、食品として、人間の胃袋に入り、恐ろしい癌などを誘発することにつながります。大阪湾でも、カタクチイワシなどからマイクロプラスチックが確認されています。そういったことを考えると、少しでも、ごみを拾って環境の悪化を食い止めたいと思います。
私たちは、自然から、有形・無形のたくさんの恩恵を受けて生かされています。水や酸素を作ってもらい、二酸化炭素を吸収してもらい、衣・食・住、薬、環境、文化、様々なものを提供してもらって生かされています。今、地球の温暖化を始めとする様々な環境問題がありますが、自分の子どもや孫たちが笑顔でいられる環境を残していってあげたいと思っています。
有名な辻 信一氏監修の絵本「ハチドリのひとしずく」では、森の火事で、たくさんの動物たちが逃げ出す中で、体の小さなハチドリが、「私は、私にできることをしているだけ」と口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていく。まさに、それだと思っています。小さなことだけれども、自分にできることをやっていきたい。それは、自分でやるだけではなく、人にもやってもらい、取組みを拡げていきたい。今は、地域の掲示板で、地域の人に活動の参加を呼び掛ける程度ですが、例えば、日を決めて、市全体、府全体、国全体でこのような取り組みがなされることをこれからも願って、活動を継続していきます。このコラムをご覧になった皆さんも、まずは、“ぽい捨て”をしない事、そして、できましたら、清掃活動へのご参加をお願いいたします。

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