2017年05月17日(水) Vol.361 村井淳(公益財団法人岩手県市町村振興協会)

希望郷いわて国体と地域振興

KNSの皆様、ご無沙汰しております。盛岡市役所に勤務しておりました村井です。3月に退職し、現在は(公財)岩手県市町村振興協会にお世話になっています。
さて、今回のメンバーコラムですが、この2年間、平成28年に岩手県で開催された第71回国民体育大会「2016希望郷いわて国体」そしてその後に開催された第16回全国障害者スポーツ大会「2016希望郷いわて大会」に関りましたので、少しお話をさせていただきます。
平成27年3月、定期人事異動の内示があり私は国体推進局への異動が告げられました。それまで9年間産業振興に関ってきており、このまま定年まで行くんだろうなーと考えていただけに、予想外の内示でありました。国体といえば各地域のトップアスリートの集まる大会、学生時代を通じ県大会にも進んだことのない自分にとっては、全く縁のない世界。果たして私で役に立つのか?といった不安が頭をよぎりましたが、市長から与えられた指令は、「産業振興、観光振興で培った力を発揮して国体を成功に導くこと」。そういうことであれば、今までの経験を生かせるかもと考えながら4月を迎えるのでありました。

村井淳

国体は半世紀に一度の大イベントを成功されるためには、国体を手伝ってくれるボランティアの募集、花いっぱい運動やクリーンアップ運動、炬火(オリンピックでの聖火に当たるもの)採火式などの実施など、市民総参加で成し遂げること、また、選手・監督、役員等の国体関係者はもちろんのこと、全国各地から来盛する一般観覧者の皆様に、盛岡に来て良かったと思ってもらうことが成功への大きなポイントでした。

そこで、次の3点を基本方針として掲げ、国体成功へ向けての準備を進めることとしました。
?選手が実力を発揮でき、かつ、円滑な競技運営ができる協議会運営体制の構築、仮設施設の整備、輸送交通の確保等を行うとともに、一般観覧者にとっても快適な環境を提供できるよう万全な準備を行うこと。
?全国各地から盛岡を訪れる皆様をおもてなしの心でお迎えするため、30万市民の総力を結集した市民運動を展開すること。
?国体をきっかけに盛岡を訪れた方がまた盛岡に来てもらえるよう、盛岡の魅力発信を行うこと。

この基本方針のもと、実施した取り組みをいくつか紹介させていただきます。
1 危機管理体制の整備
  安心・安全な競技会運営体制を確立するため、警察、消防等関係機関と連携し、火災、地震等の災害や事件・事故、荒天時等の場面を想定した緊急時マニュアルを作成、緊急時に備えた。
2 競泳競技会での徹夜待機対策
競泳競技会は世界で活躍するトップスイマーも出場するため、非常に人気のある大会。例年、よい席を確保するため徹夜で入場待ちをする行列が発生。特に岩手国体の競泳競技会は、リオデジャネイロオリンピックで活躍した選手をはじめオリリンピアンが30人近くも出場し、例年以上の観客が押し寄せることが想定。観覧者にとっての快適な環境の提供するため、前日の夕方に入場整理券を配布し徹夜待機を解消。
3 盛岡の魅力発信
盛岡駅前の広場に「おもてなしパビリオン」を開設し、さんさ踊りの披露、盛岡山車の常設展示、チャグチャグ馬コとのふれあい、特産品の販売等を実施。国体・大会期間中、延べ約10万人が来場。多くの人に盛岡の魅力を発信。
また、競技会場でのおふるまいでは、地元町内会などの協力により、地元食材を活用した、芋の子汁、福田パン、短角牛のステーキ等と岩手のりんごジュースを提供。

などなど。これらを実現するために、盛岡市の職員全員が競技会運営に携わるとともに、ボランティアでは、高校生、専門学校生などが多数参加。また、小中学生には学校観戦を通じ岩手の選手はもとより全国各地の選手を応援してもらった。
また、多くの企業から自動車やグッズ、土地の無料貸借などといった協賛品の提供をいただいた。大学からはインターネット中継やアプリ開発での技術協力、各商店街では国体ののぼり旗を設置し独自のサービス提供を行っていただいた。
いずれ、市民総参加で取り組んだ「希望郷いわて国体」は、気がつくと「産学官民連携」で取り組んでおり、産業振興、観光振興でお世話になった方々の絶大なる協力によるものでした。
盛岡市だけでも、20万人以上の来場、93億円を超える経済波及効果を生み出した希望郷いわて国体・希望郷いわて大会は、競技会運営や温かいおもてなしに高い評価をいただき、大きな盛り上がりのうちに成功裏に終了することができました。
スポーツイベントが地域振興に大きな役割を果たすことを改めて感じた2年間でした。

今後も地域振興に取り組んでまいりますので、KNSの皆様との交流も継続して行きたいと考えております。これからもよろしくお願いいたします。

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