2017年05月10日(水) Vol.360 文敬作(株式会社 三栄金属製作所)

私の海外(ベトナム)への物語

弊社は1970年大阪市生野区の長屋で父と母が小さなプレス機を動かしたのが三栄金属の始まりです。私はこの家の長男として生まれプレス機のドンドンと音を子守唄代わりに聞いて育ってきました。今還暦を前にして思えば 私の将来はこの時から決まっていたような気がします。そして私ほど運と人生の流れといい人間恵まれているのではと思います。
今から10年前にベトナム人実習生を2人を雇用したのがベトナム国とのつながりの始まりです。初めは本当に仕事が出来るんかと疑問だらけの頭の中、来日してきたのは20歳と24歳の若者。頼むから怪我だけはせんといてとの思いだけ。そんな不安は一週間もせずに吹き飛びました。

文敬作

黙々とプレスの仕事をする姿に感動。廻りのベテランの社員も一生懸命に言葉も通じないのに仕事を教えていきます。今まで途中入社の社員には指導どころか会話のない状態でいつもギスギスしていた会社の空気が明るくなっていきました。
次年度2008年にも2人の実習生を雇用している時にリーマンショックでしたが幸い弊社は住宅関連がメインだったのですこしのダメージですみました。ある会社からベトナム人技術者を解雇したいので受け入れてくれないかと要請があり2人の技術者を受け入れしました。その技術者はNC機械のプログラム・操作など日本人の社員以上の知識があるのには驚きました。
それからは毎年技術者の雇用を続けています。今では実習生が7人、技術者が8人その内5人が結婚し日本で家庭を持ち子供は日本の幼稚園に通っています。弊社にベトナム人が多いとうわさを聞いて在日のベトナム人が3人も働きに来ています。また留学生・技術者の奥さんを含めると全社員58名中26名がベトナムの社員となっていて在日の韓国人(私も含めて)・中国人の社員もおりグローバルな町工場が弊社の現状です。2013年にはベトナム国ロンアン省で念願のSANEI-VN(会社)を立ち上げました。まだ軌道に乗るには少し時間がかかりますが今の日本の人手不足の現状を考えると
SANEI-VNでいい人材を育てて日本の三栄金属に社内転勤の形で雇用していけます。
10年前にべトナム人実習生を雇用したのがきっかけに会社の売上も3倍に増えました。人も3倍になりました。若いベトナム社員を雇用することで日本の社員の雇用も若い人が集まってきてくれています。本当にここまではよかったのですが、、、。ベトナム人の社員も給与が最初はベトナムの10倍ももらえるので黙々と仕事をこなしていきますが、年々日本人と同じ給与がほしいと訴えるようになっています。
日本人の若い社員も頑張っていますが他の会社の給与と比較するようになってきています。
課題としてこの先ベトナム人社員・日本人社員が成長するにつれて会社としての器も経営者としての器も大きく成長していかねばなりません。
ベトナム人社員と出会えてこの10年我武者羅に前に向かって進んできましたが
社員の評価も経営者の気持ちだけを伝えて明確な根拠も示さず、毎年の経理公開だけをすれば会社のことを社員がわかってもらえると経営者の自己満足に慕っていました。この場当たり的な経営が今仇となって自分に帰ってきて経営者としてすごく悩んでいます。

今期から評価制度を導入することが決定しましたがまだ中身が完全に出来上がっていません。評価する言葉は簡単に出ますがそれを文字として制度として表していくのが難しい
仕事のやりがい=評価=目標を全社員が共有できる仕組みを作るのが今の私の使命です。
それともう一つ私には日本は5年計画・ベトナムは10年計画があります。
日本は5年(17期)で無借金経営にして5か所ある工場を1つにして新工場を立ち上げる。 経営の方も会社の仕組み(評価制度など)を完全に作り上げて次世代に繋げていく 
私はここで日本の経営者としては終わりです。(笑)
ベトナムの方は10年計画 来年2018年度には自社工場が出来ます。
この10年で日本と同じ仕組みをつくり 日本からの借入金を返済して 独立して
進んでいける会社にするそして一番大事なのは日本で働いているベトナム人社員のこれからです。彼らがベトナムに帰っても仕事が出来る環境があればベトナムで日本の物づくりが出来ていきます。
ベトナムには人間の活気と仕事を伸ばせる可能性があります。私はそれに賭けてみようと思います。人生の終盤を晩期大成で迎えていきたいと考えていますのでここ一番の勝負だと思います。絶対に晩期大成でベトナムで経営者としての最期を迎えます。

今回このコラムの執筆の御縁を頂いた中川鉄工の中川さんに本当に感謝しています。
ありがとうございました。

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